地盤凍結工地盤凍結工法
概要
地盤凍結工法は、地盤中に所定の間隔で埋設したパイプ(凍結管)に冷却液(ブライン)を流すことで、その周囲が冷却され土中の間隔水を氷結させ年輪状に凍土化させます。凍土が成長するとともに隣接する凍結管を中心とした凍土柱が一体化して、遮水壁あるいは耐力壁を造る工法です。凍結工法は凍土を造成して、その中で安全確実に土木工事を進めることを目的とした補助工法です。
特長
-
1優れた強度
地盤が凍結すると強度が飛躍的に増加し、造成された凍土壁は耐力壁として十分な強度を持ちます。
-
2完全な遮水性
凍土は遮水性が全くなく、完全な遮水壁となります。
-
3密着性
他の構造物と凍土は密着し、完全な止水性と大きな結合力(凍着力)を発現します。
-
4安全性
凍土の解凍は非常に緩慢であるため、停電や機械の故障等の発生時に対応可能な時間が確保できます。
-
5一様性
性状の異なる互層地盤を凍結しても連続した壁体を作り出せます。
-
6無害公害性
エネルギーとして電気を、循環液には塩化カルシウム水溶液を使用し、冷凍機は冷媒を密閉回路内で循環して使用するため、環境にやさしい工法です。
-
7管理施工性
地中温度の測定結果より、凍土造成範囲や強度を確実に把握できるため、安全確実な施工管理が可能です。
-
8確実性
自然界の熱伝導現象を利用しているため、安定した計画が立てられます。
-
9復元性
凍土は解凍すると凍結工事実施前の自然地盤に戻るため、障害物となりません。
凍土の状態を把握する為の地中温度測定と凍土設備の運転状況を凍結設備運転計測により施工管理を行います。
用途例
トンネルと⽴坑の接続防護